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【マンション向け】電気自動車(EV)用充電器の設置費用はいくら?補助金や費用削減のコツを解説

2026.03.30

【マンション向け】電気自動車(EV)用充電器の設置費用はいくら?補助金や費用削減のコツを解説

#充電・バッテリー

EVの普及が進む中、マンション居住者の間では「自宅で充電したい」という声が高まっています。しかし、マンションへのEV充電器設置では、合意形成や費用負担など、検討すべき課題があるのが実情です。そのなかでも気になるのは、「いったいいくらかかるのか」という設置費用への懸念ではないでしょうか。

この記事では、マンション向けEV充電器の設置にかかる費用相場から、活用できる補助金制度、費用を抑えるためのポイントまで、マンション管理組合や理事会の方々に役立つ情報をわかりやすく解説します。

1.EVの充電器を設置する際の費用は?

マンションにEV充電器を設置する際の費用は、選ぶ充電器のタイプによって大きく異なります。まずは、主に利用される普通充電器と急速充電器の設置費用の相場について解説します。

1.1.普通充電器の場合

マンション向けの普通充電器(10kW未満)はいずれのタイプも3kW~6kWが主流で、本体と工事費を合わせると以下の表のように幅があります。



充電器のタイプ 概要説明 設置費用の相場
壁付けコンセントタイプ 200V専用コンセント+車載ケーブルで充電する低コストタイプ。 5万〜15万円(1台)
壁付けタイプ 建物の外壁などに本体を固定するタイプ。配線距離を短くしやすく省スペースで設置可能。 30万〜60万円(1台〜3台)
スタンドタイプ 駐車マス横に独立スタンドを設置するタイプ。共用駐車場で複数台向けに導入しやすい。 50万〜140万円(1台)
V2H機器 充電に加えて建物側への給電も可能な双方向機器。非常用電源としても活用可能。 130万〜150万円(1台)

※設置場所と電源の距離などにより工事費は大きく変動します。

普通充電は、帰宅後などで長時間駐車する間に利用するのが基本です。なお、6kW出力の充電器を選べば、一般的な3kWタイプの約半分の時間で充電できるため、より効率的に運用できるでしょう。

1.2.急速充電器の場合

マンション向け急速充電器は出力50kWを中心に、最大150kWまで対応する高出力タイプで、高速道路のサービスエリアや商業施設で利用されているものと同等の性能を備えています。普通充電と比べて短時間で効率的に充電できる点が特長です。

ただし、マンションへの導入にあたっては、受電設備の増強など一定の設備工事が必要となる場合があり、導入前の検討が重要です。設置費用は、本体価格(1台)および工事費を含めておおよそ500万円〜1,000万円前後が目安となります。

日産リーフ(78kWhバッテリー搭載)の場合、50kW急速充電を使うことで、1.2時間の利用でも次の移動に必要な電力量をしっかり充電できます。ただし、急速充電器の多くは1回30分までの制限を設けているため、実際には2回連続の使用、あるいは継ぎ足し充電での運用が一般的です。

2.設置方法によっても費用は異なる

集合住宅(マンション)におけるEV充電器の設置方法は、主に「個別設置型」と「シェア型」の2種類に分けられます。電源容量や駐車スペースの条件によって、導入費用は大きく異なります。

設置方法イメージ画像 設置方法イメージ画像

(図)ユアスタンドご提供




設置方法 概要説明
個別設置型 専有の駐車区画に1基ずつ設置し、個人専用で運用する方法
シェア型 共用駐車区画(または専用充電エリア)に複数基を設置し、居住者が共有する方法。



個別設置型は電源を個別分電盤から引けるため大規模工事は不要ですが、複数区画に設置することになるためトータル費用は高額になりやすいです。

シェア型は、少ない台数の充電器を住民で共有するため、1台あたりの設置効率がよく、費用を戸数で分けて負担できます。その一方で、建物全体の電源を強化したり、利用者ごとに料金を管理する仕組みが必要になるため、最初にかかる費用は高くなる傾向があります。

3.EV充電器の設置費用を抑えるコツ

EV充電器の設置費用を抑えるには、補助金の活用、見積もりの比較、機器選定の3つが挙げられます。これらを組み合わせることで初期費用の負担を軽減できるため、マンションオーナーや管理組合にとって入居促進の有効策となります。

3.1.補助金制度を活用する

EV充電器の設置費用を削減する最も効果的な方法は、各種補助金制度を活用することです。
国や地方自治体では、EV充電インフラの整備を促進するためにさまざまな支援策を用意しています。特にマンションなど集合住宅への設置は重要視されており、手厚い補助を受けられる可能性が高いのが特徴です。

以下では、活用できる主な補助金制度について詳しく解説します。なお、補助金制度は年度ごとに内容や予算が変更されるため、活用の際は最新の情報を確認するようにしてください。

3.1.1 国(一般社団法人次世代自動車振興センターが執行)の補助金

「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」は、充電設備の導入を支援する国の補助金で、次世代自動車振興センターが執行します。

普通充電器とV2H設備の設置における補助率(令和6年度補正・令和7年度当初予算)は以下のとおりです。



▼集合住宅(既築分譲)


普通充電器の設備区分 駐車場形態 設備購入費補助率 設備購入費上限額 工事費補助率 工事費上限額
ケーブル付充電設備(6kW以上) 機械式・平置き 50% 35万円 100% 95万円
ケーブル付充電設備(6kW未満) 25万円
コンセントスタンド 機械式・平置き 11万円
コンセント 機械式 7万円 95万円
平置き 65万円



▼その他(集合住宅、事務所工場・月極)、目的地充電


普通充電器の設備区分 駐車場形態 設備購入費補助率 設備購入費上限額 工事費補助率 工事費上限額
ケーブル付充電設備(6kW以上) 機械式・平置き 50% 35万円 100% 135万円
ケーブル付充電設備(6kW未満) 25万円
コンセントスタンド 機械式・平置き 11万円 135万円
コンセント 機械式 7万円 135万円
平置き 95万円

※上記表での機器・工事の補助上限額は総額であり、機器の機能や工事内容ごとに個別の上限があります。
※機器の機能や工事の内容によって、必ずしも表中の上限額がそのまま補助されるわけではないことがあります。




▼V2H設備


申請区分 対象/主な要件 設備購入費補助率 設備購入費上限額 工事費補助率 工事費上限額
個人宅・マンション 一戸建てやマンション共用部。
一戸建てではEVを保有または発注済みの場合。
50% 50万円 100% 15万円
公共施設 地方公共団体等が保有・管理する施設
(庁舎・公民館など)
50% 75万円 100% 95万円
災害拠点 地方公共団体等との間で締結した「災害協定」に関する施設
(医療機関、福祉・老人施設町内会施設など)
その他施設 上記以外の施設 1/3(約 33%) 50万円 100% 15万円


参照:経済産業省「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」


日産自動車では、充電サービス事業者と連携し、補助金を利用したマンションへのEV充電器設置を支援しています。詳しくは以下のページをご覧ください。


>>電気自動車(EV)を自宅で充電するメリットと充電設備設置の手順をご紹介




3.1.2. 各自治体の補助金

自治体の補助金はマンション向けの普通充電器の設置を支援するものが多く、自治体ごとに詳細は異なりますが、補助率は半額程度とし上限額を設定している場合が一般的です。
自治体ごとの普通充電器設備の補助金は以下のとおりです。


自治体 設置場所 設備購入費の補助率・上限 設置工事費の補助率・上限
東京都 集合住宅、商業施設など 半額
(機種ごとの上限あり)
1基目:上限 135万円
2基目以降:上限 68万円/基

【機械式駐車場へ設置する場合】
1基目:上限 171万円
2基目以降:上限 86万円/基
神奈川県 集合住宅、月極駐車場など ・普通充電設備・充電用コンセントスタンド:15万円上限
・充電コンセント:10万円上限
愛知県 集合住宅、工場、商業施設 ・普通充電器1基あたり17万5,000円上限

※国の補助金を併用する場合は、その交付金額を差し引いた額が上限額となります。
※令和7年度の内容になります



参照:一般社団法人 次世代自動車振興センター「全国の地方自治体の補助制度・融資制度・税制特例措置」

3.2. 複数の事業者に見積もりを依頼する

EV充電器の設置費用は施工業者ごとに配線工事の内容や機器の選定が異なります。そのため、複数社に現地調査を依頼し、見積もりを比較することをおすすめします。

見積もりの際は、電源容量の確認、工事範囲、補助金への対応可否、アフターサポートの内容などを多角的にチェックし、最適な条件を選定しましょう。

● 現地調査のポイント:配線距離、分電盤容量、基礎工事の有無を明確にする
● 見積もりの比較項目:本体価格、工事費、保守契約、納期

3.3. 予算に合った充電器や設備を選ぶ

EV充電器は出力(普通充電器の場合は3kW / 6kW)やグレードで本体価格が大きく変わるため、利用シーンに合ったスペックを見極めることが費用削減の鍵です。


普通充電器のタイプ 特徴
3kW タイプ ● 低出力だが初期費用が安い
● 夜間での長時間充電向き
● 電力負荷が小さいため分電盤改修が不要な場合が多い
● マンションでの小規模導入に適している
6kW タイプ ● 出力が 3kW タイプの 2 倍で充電時間が短縮され、回転率向上に有効
● 本体や工事費が高く電力契約の変更が必要なケースもある
● 将来的な高容量車(大容量バッテリーを搭載した車)対応に強い


導入の際は補助金対象機種を確認し、マンションのニーズに合った充電器を設置するようにしましょう。

4. EV充電器を設置するまでの流れ

マンションにEV充電器を設置する際は、いくつかの重要なステップを踏む必要があります。適切なプロセスを理解することで、スムーズな導入計画が立てられるでしょう。
ここでは、管理組合や理事会が主導して導入を進める際の一般的な流れを解説します。

4.1. STEP1:メーカーや充電サービス事業者に相談する

最初のステップは、EV充電器のメーカーや充電サービス事業者に相談することです。マンション向けの充電設備にはさまざまな選択肢があり、各社が独自のサービスやソリューションを提供しています。

日産自動車では、マンションへのEV充電器の設置を支援しています。 マンション向け充電サービスについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。


>>電気自動車(EV)を自宅で充電するメリットと充電設備設置の手順をご紹介

4.2. STEP2:現地調査と見積もりを依頼する

相談後は、充電設備の設置が可能かどうかを判断するため、事業者による現地調査がおこなわれます。

この調査では、マンションの電気設備の状況や充電器を設置する場所の確認など、具体的な技術調査がおこなわれます。調査結果に基づいて詳細な見積もりが作成されますが、この段階で特に工事費用に大きく影響する要素がいくつか存在します。





4.2.1. 200Vの分電盤に対応しているか

EV充電器は基本的に200V電源で動作しますが、マンションでは単に200Vに対応しているかどうかだけでなく、充電器を追加できるだけの電力容量に余裕があるかが重要となります。例えば、6kWの充電器を設置する場合は、約30A(アンペア)の容量が必要となります。既存の分電盤にこの追加容量を確保できるかどうかが設置の可否を左右します。

容量不足と判断された場合の解決策として挙げられるのが「別受電方式」です。
EV充電器専用の電力を新たに電力会社から直接引き込む方法で、初期費用は高くなるものの、共用部分の電力と完全に分離できるため、充電に使用した電気代の課金・管理が明確になるメリットがあります。





4.2.2. 分電盤から設置場所までの距離はどうか

分電盤から充電器設置場所までの距離は、工事費用に直接影響する重要なポイントです。距離が長いほど必要となる電線が増え、材料費が高くなります。特にEV充電器は大電流を流す必要があるため、距離が長い場合は電圧降下を防ぐために太い電線ケーブルを使用しなければなりません。





4.2.3. 壁や地面への配線工事は必要か

駐車場の形状によっては地面の掘削工事が必要になる場合があります。

特に、建物から離れた平置き駐車場や独立した島状の駐車スペースでは、アスファルトやコンクリートを掘削し配線用の電線管を埋設したあと、再度埋め戻して舗装する工事が必要です。

このような工事は専門の重機や人員を要するため、数メートルの距離でも数十万円のコストが発生することがあります。また、建物の壁面に配管を通す工事が必要な場合も、外観や構造に配慮した施工が求められ、費用が増加する要因となります。現地調査では、こうした追加工事の必要性を確認したうえで、適切な施工方法が検討されます。

4.3. STEP3:合意形成を経て、設置工事を依頼する

見積もり内容に問題がなければ設置工事の申し込みとなりますが、マンションでは合意形成が必須となります。EV充電器を設置する場合は共用部分の変更に該当するため、管理規約に基づき手続き総会での決議が必要になるケースが多いためです。

合意形成を図る場合、設置計画をもとに、導入目的、費用負担の方法、利用ルール、維持管理体制などを明確にした提案資料を作成し、居住者に説明することが求められます。説明後は理事会で検討がおこなわれ、総会で決議を得ることになります。

このとき、充電器を利用しない住民にも納得してもらえるよう、公平な費用負担の仕組みや資産価値向上のメリットを丁寧に伝えましょう。合意形成には時間がかかるため、工事希望時期の数ヵ月前から準備を始めたうえで、居住者間で十分なコミュニケーションを取ることが成功の鍵です。

4.4. STEP4:工事が完了したら費用を支払う

工事完了後は設備の動作確認をおこない、問題がなければ、契約に基づいて費用の支払いをおこないます。この際、設置した充電器の取扱説明書や保証書、メンテナンス情報なども受け取りましょう。

また、設備の使用方法や利用ルールについて居住者へ周知することも忘れないようにしてください。スムーズに運用できるよう、利用ガイダンスや説明会を実施するのも効果的です。

5. EV充電器の設置はどこに依頼する?業者選びのポイント

ここまで、マンションにEV充電器を導入する際に利用できる補助金や、具体的な導入方法について解説してきました。
しかし実際には、補助金申請や管理組合内での合意形成、設置工事の調整、導入後の運用・メンテナンスなど、個人や管理組合だけで対応するには負担の大きい課題も少なくありません。

そのため、EV充電器を設置する場合は企画段階から設置、導入後の運用までを一貫して支援してくれる充電事業者に依頼することが有効です。

充電事業者を選ぶ際は、以下のポイントを確認するとよいでしょう。

● 見積もりの透明性:機器代、工事費、その他諸経費など、費用内訳が明確に示されているか
● 補助金申請サポート:複雑な補助金申請手続きをサポートしてくれる体制があるか
● マンションでの設置実績:集合住宅への設置実績が豊富で、居住者や管理組合との合意形成のノウハウがあるか
● アフターサポート:設置後のメンテナンスや故障対応、課金システムの運用サポートは充実しているか
● 将来的な拡張性:充電器の増設や更新に柔軟に対応できるシステムを提案してくれるか

複数の業者から見積もりを取ったうえで、単に価格だけでなくサービス内容も含めて総合的に検討することが重要です。特にマンションの場合は、合意形成に向けた支援体制が整っているかがカギとなります。

日産自動車で紹介しているマンション向け充電サービス事業者について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。


>>電気自動車(EV)を自宅で充電するメリットと充電設備設置の手順をご紹介

6. まとめ

マンションにEV充電器を設置する際は、充電器のタイプによる費用の違いや工事内容にともなう追加費用、活用できる補助金制度などを含め多角的な検討が必要です。マンション特有の合意形成や将来的な維持管理体制の構築についても、計画段階から意識しておくことが重要なポイントといえます。

設置費用を抑えるには、複数の業者からの見積もりを取得することに加えて、利用状況に応じた適切な充電器タイプの選定や補助金の活用が効果的です。また、工事の流れや電気設備の状況を事前に把握できれば、想定外の費用が発生することを防ぐことができます。

こうしたポイントを踏まえつつ、導入をよりスムーズに進めるための支援も存在します。
日産自動車では、導入を支援する充電サービス事業者を紹介し、マンション向けのEV充電設備の導入をサポートしています。



>>電気自動車(EV)を自宅で充電するメリットと充電設備設置の手順をご紹介